墓地選びのポイント

どのような所に墓地を構えたら良いか。これは大変悩ましいことです。墓地を新たに整えるためには、まとまったお金も必要になり、一度整えると、そう簡単に場所を移すのは難しい。ご家族が永遠に眠る場所と考えると、一層慎重にならざるを得ないでしょう。特に、場所の選定や、寺院墓地と霊園のどちらを選ぶかについては、迷うことが多いでしょう。そんなときは、下記の三つのポイントを考えてみてください。

  • ①思い立った時にいつでもお参りに行ける場所

    遠く離れた場所に、特別なご縁があるとか、気に入った所は別として、お墓が遠くにあるということは、歳をとれば必ず負担になります。したがって、これからお墓を建てるなら、住んでいる町の近くがお勧めです。もし、歩いて行ける所に建てられるなら、これほど恵まれたことはありません。

  • ②静かに眠ることができる場所

    お墓は、亡くなった後の終の棲家ついのすみかです。できれば、ビルや住宅から見下ろされる場所ではなく、豊かな緑に包まれた静かでおごそかさの感じられる場所が理想です。

  • ③寺院墓地か霊園のどちらを選ぶかはそれぞれの価値判断で

    どちらの墓地も仏様を埋葬するところという点では共通しています。しかし一方で、大きな違いも存在します。寺院墓地にお墓をつくるということは「菩提寺とお檀家さん」という関係が結ばれ、菩提寺は、お檀家さんの仏様方の菩提を弔うために日頃からご供養を行います。一方、霊園は、仏様のご供養を日頃から行うことはありません。単に埋葬の場所です。この点が寺院墓地と決定的に異なります。どちらを選ぶかは、それぞれの価値判断で決めることです。いずれにしても、慎重に考え自分の目で実際に確認し、納得のいく上で決めることが何より重要なことです。

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